一般型とカタログ注文型は「オーダーメイドか登録品か」で分かれる
中小企業省力化投資補助金には2つの型があります。中小機構の補助金活用ナビ(2026年10月閲覧)に掲載されている内容を並べると、次のとおりです。
| 項目 | 一般型 | カタログ注文型 |
|---|---|---|
| 補助上限 | 最大1億円 | 最大1,500万円 |
| 補助率 | 補助金額1,500万円までは1/2(最低賃金引上げ特例は2/3)、1,500万円を超える部分は1/3 | 1/2以内 |
| 対象 | 個別の現場に合わせた設備導入・システム構築 | カタログに登録された製品 |
| 申請 | 事業者が詳細な事業計画を作成 | 販売事業者が申請を支援 |
| 受付 | 公募回ごと(第8回は2026年9月18日〜10月16日17:00) | 当面随時受付 |
| AIでの使いどころ | AI外観検査、ロボットセル、搬送の自動化など | 登録済みの省力化製品 |
一般型の採択結果は、第5回が2026年6月5日、第6回が2026年8月28日に公表されています。上限・補助率・受付期間は回ごとに改定されることがあるため、申請時には最新の公募要領で確認してください。
AI外観検査・ロボットセルは一般型が本命
AI外観検査は、ワークの形状、欠陥の種類、照明、タクト、搬送の仕方が工場ごとに違います。カメラとソフトを買えば終わる製品ではなく、撮像系の設計、治具、PLCとの連携まで含めた個別の構築になることがほとんどです。そのため、補助金活用ナビも一般型を「オーダーメイド省力化」に向くと説明しています。
カタログ注文型は、登録された製品を選んで買う仕組みです。手続きは軽い一方、自社の工程に合わせた作り込みは対象外になります。AI機能付きの画像センサーや搬送ロボットなどがカタログに登録されていて、それで要件を満たせるなら、カタログ型のほうが早く導入できます。
一般型の補助率は段階式。投資額ごとの自己負担を試算する
一般型の補助率は、補助金額1,500万円までが1/2、それを超える部分が1/3という段階式です(最低賃金引上げ特例の適用時は1,500万円までが2/3)。投資額が大きくなるほど実質の補助率は下がるため、「1億円まで半分出る」とは考えないでください。正確な計算方法は公募要領で確認し、投資額ごとに自己負担額を試算しておきます。
自治体の上乗せ補助と組み合わせられる場合もあります。補助金活用ナビによると、大分県の上乗せでは補助率が合計3/4(国1/2、県1/4)となり、一般型の上限は1億750万円です。自社の所在地で同様の制度があるかは自治体のAI導入補助金で探し方を説明しています。
省力化効果をどう示すか:AI投資で詰まりやすい3点
一般型は詳細な事業計画が求められます。AI設備の場合、次の3点で計画が弱くなりがちです。
- 省力化の数字の根拠:検査員が何人・何時間、どの作業をしているかを、導入前に工程ごとに計測しておく必要があります。「検査工数が半分になる見込み」ではなく、現状の作業時間と、AI導入後に人が残る作業(再判定、段取り、例外処理)を分けて示します
- AIの精度が出なかった場合の扱い:AI外観検査は、過検出が多いと人の再判定が増え、省力化効果が消えます。PoCや撮像テストの結果を添えて、見逃しと過検出の目標値と、その前提条件を書くと説得力が上がります
- 稼働後のデータの扱い:判定結果と画像をロット・品番と紐付けて保存しておくと、効果報告にそのまま使えます。MESや検査記録システムとの連携は、仕様の段階で決めておきます
中小機構の「省力化ナビ」には14業種84件の事例が掲載されており、製造業は6件です(2026年10月閲覧)。例えば群馬合金(非鉄ダイカスト、125人)は、AI画像センサーで型式を自動判別して異品の取り違えをなくしています。同業種の事例を読むと、どこまでを設備で、どこからを人で担うかの線引きの参考になります。
よくある質問
協働ロボットにAIビジョンを付けたシステムはどちらの型になりますか
登録製品の組み合わせで足りるならカタログ注文型、自社のワークや工程に合わせてシステムを構築するなら一般型が基本です。カタログに登録されているかは、公式サイトのカタログで確認してください。
AIソフトの年間ライセンス費は対象になりますか
対象経費の範囲と期間は公募要領で定められています。補助事業期間外の利用料や、導入後の運用費は対象外になる場合が多いため、見積もりを費目ごとに分けて確認してください。
一般型とカタログ注文型を同時に使えますか
併用や重複の扱いは公募要領に規定があります。同じ設備を両方で申請することはできないため、対象設備を分けて考える必要があります。最新の公募要領で確認してください。
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