白書が示した数字

厚生労働省は2026年9月29日、令和8年版労働経済白書を公表しました。ITmedia エンタープライズの報道によると、個人の生成AI利用率は製造業が33.3%、金融・保険業が26.9%で、どちらも米国(約60%)のおよそ半分にとどまります。

製造業の個人の生成AI利用率
33.3%
厚生労働省 令和8年版労働経済白書(2026年9月29日公表)
金融・保険業の個人の生成AI利用率
26.9%
同上
米国の同等指標
約60%
同上(白書の比較値)

企業の方針と個人の利用の差

同じ時期の総務省の令和8年版情報通信白書(2025年度調査)では、生成AIの活用方針(積極活用+限定利用)を定めた企業は68.9%で、前年の49.7%から伸びています。企業の7割近くが方針を持つ一方、製造業で実際に使っている個人は3人に1人という差があります。

ただし、2つの白書は調査対象も設問も違います。前者は個人、後者は企業の方針です。数字を並べて「方針はあるのに使われていない」と断定するのではなく、方向性の参考として読むのが適切です。情報通信白書は本文に製造業の業種別利用率を載せていない点にも注意が必要です。各調査の比較は製造業の生成AI導入率はどこまで来たかで整理しています。

製造業への示唆

製造業の利用率が金融・保険業より高いのは意外に見えますが、33.3%の中身が設計・事務部門の利用か、現場の利用かは白書の数字だけでは分かりません。工場の現場では、PCを常時使わない職場、持ち込み端末の制限、入力してよい情報の線引きが利用の壁になりやすいはずです(推測)。

よくある質問

米国の約60%はどの調査の数字ですか?

白書が比較に使った値として報じられています。比較元の調査の詳細は白書本体で確認してください。

製造業の企業単位の生成AI導入率は分かりますか?

情報通信白書の本文には業種別の値がありません。民間調査は定義がばらばらなので、出典ごとに読み分ける必要があります。

この特集について

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この記事を書いた人

株式会社サオス

株式会社サオス 製造DX部

DELMIA Apriso を中核とした MES / 製造DX の導入・運用・人材育成と、製造業向けAIの調査・開発・教育を手がけるITコンサルティング企業。ISO 9001:2015 / ISO 27001:2022 認証取得。 日本・中国・米国で製造業のMES・データ基盤・AI導入を手がけた実務者が、欧米・中国の一次情報にあたって書いています。