事例の概要
| 企業 | JSR株式会社(横河電機と共同) |
|---|---|
| 地域 | 日本 |
| 業種 | 化学 |
| 企業規模 | 大企業 |
| 用途 | 品質・プロセス分析 |
| 使われた技術 | 横河電機と奈良先端科学技術大学院大学が開発した強化学習アルゴリズムFKDPPによる自律制御 |
| 関連する製品・サービス | — |
成果
取り組みの内容
化学プラントの蒸留塔は、温度や圧力、流量など多くの変数が互いに影響し合う設備です。廃熱を熱源に使う場合、熱の量や温度が変動するため、従来のPID制御や高度制御では対応しきれず、オペレーターが手動で調整してきました。
横河電機とJSRは、横河電機が奈良先端科学技術大学院大学と2018年に開発した強化学習アルゴリズムFKDPPを使い、蒸留塔の自律制御を実証しました。MONOistの報道によれば、2018年のシミュレータ検証では、4つのバルブと9つのセンサ値の制御を約30回の試行で最適化しています。
実機では、2022年1月17日から2月21日までの35日間(840時間)、蒸留塔を連続して自律制御し、期間中の製品はすべて規格を満たしました。廃熱を熱源として使ったことで、省エネとCO2の削減にもつながったとされています。
強化学習は試行錯誤で学ぶため、実機で直接学習させることはできません。シミュレータで学習・検証してから実機に移す手順と、少ない試行で学べるアルゴリズムが組み合わさったことが、実機での長期運転を可能にした要因と考えられます。
この事例から読み取れること
- 強化学習をプロセス制御に使う場合、シミュレータでの学習と少ない試行回数で学べるアルゴリズムの両方が前提になることを示す事例だと当サイトは見ています
- 外乱が大きく従来の制御で手動調整に頼っていた部分を対象に選んだことが、AIの効果を示しやすくした要因として読めます
- 35日間の連続運転は実証の成果で、恒常的な運用や他の設備への展開には、安全系の独立性や運転員への引き継ぎ条件の設計が別に必要です
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